精神科医の「眠るだけ」というお仕事
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こんにちは。
人生のテーマは「毎秒幸せ」、精神科医チフィです。

 

春ですね。外はすっごく良いお天気です。
でも僕は日当直のバイトのため、とある病院内に引き籠もっています。
最近「菜々緒」という名前をつけたアスパラガス・ナナスを観葉植物として家に置いているのですが、僕が菜々緒だったら今夜が峠か、というくらいに陽の光を浴びていません。

 

 

さて、今日はせっかくなので、医師のバイトのこととかを語ってみようかと思います。世間の人はあんまり知らないかもしれませんし。

 

日直・当直

さっき言った「日当直」というのは、病院がお休みの土日祝日、あるいは夜などに病院内で働く業務のことですね。
入院患者さんがいないクリニックとかなら必要ないけど、いる場合はどうしても急変対応だったりが必要になってくるので、すぐ対応できるよう院内に医師がいなきゃいかんのです。

簡単に言うと、日直は休日の日中のシフトで、当直は夜のシフト(いわゆる夜勤)って感じです。昼は日直→夜は当直と連続してやるときを、まとめて日当直と呼んでます。

 

大学病院勤務はつらいよ

で、基本的に自分が働いている病院でシフト組んで当直をやるわけですが、それだけでは懐事情が心もとなかったりするのです、実は。

一般に医師は高給取りと思われていますが例外も多く、特に大学病院勤務の医師なんかは、家計を思うとため息で過呼吸になるレベルの薄給で働いてます(大学病院のスタンスが「教育機関」のため)。でも世間ではそこまで知られてないので、ご飯とかに行くと「お医者さんすかwwゴチになりまーすww」とか言われるわけですが、そんな時は引きつった笑顔で楽天カードを店員に手渡しながら、(バイトしよ…)などと思うわけであります。

 

医師のバイト

ここで言うバイトっていうのは、僕が昔やってたみたいな「モスバーガーの袋にスタンプを押し続ける」とか「寿司工場の寿司握りマシーンに酢飯を投入し続ける」とか、そういった類いのバイトではないです。

じゃあ医師のバイトってどんなの?ということで、いくつか例を挙げるとこんな感じ。

  • 日直、当直:説明済み
  • 外来:外来患者さんの診察
  • 訪問診療:家とか施設を訪問して診療
  • 健診、人間ドック:その名の通り
  • 看護学校での講義:看護学生からモテるかと思いきや全然モテない
  • 透析
  • コンタクト

などなど。割と多彩です。そして基本的に、言い方悪いけど楽に稼げるものが多いです。理由は色々あると思いますが、その一つは

医師のバイト

内容的には誰でも出来るけど、「医師が存在している」「医師が対応する」ことが決まりになっているから、やむなく医師を雇うしかない…

という事情があるのかーなんて思ったり。

例えば書類に自分の名前をサインをするだけ、という仕事だとしても、「それをサインするのは医師でなければいけない」という書類が結構存在します。検査機器にしても「このボタンは医師しか押してはいけない」というものもあるし、「医師が確認した上で薬を出さないといけない」という決まりもあります。それに入院患者がいる病院には「何かあったらいつでも対応できるように、1人以上の医師を24時間配置してね」などと国から命令されるわけですよ。

そんな色んな決まりがあるために、医師のバイトがこれほど多く存在しているわけです。実際の仕事内容はうちの母ちゃんだって出来るレベルだとしても、規則として医師にしか出来ない仕事というわけですね。

ちなみに僕は精神科の日当直バイトをいくつかやってますが、業界では「寝当直」なんて言われます。どういうことかと言うとそういうことで、つまり「寝てるだけ」ということ。
夜間もほとんど呼ばれない(下手したら1回も呼ばれない)ため、言ってしまえば「病院で寝て起きたら給料がもらえる」というバイトです。

精神科に寝当直が多い理由

ただ、もちろん科によってバイト内容に差はあります。

例えば、とんでもない交通事故で内臓破裂!出血多量!ショックバイタル!などの重症患者をバンバン受け入れているような病院の救急外来バイト…想像もしたくないですね。千と千尋の釜爺くらい腕が欲しくなること間違いなし。それと一般的に呼び出しが多い循環器内科・消化器内科などは、やれ緊急カテーテルだ、やれ緊急内視鏡だ、などと処置で呼ばれることが多そう。

でもその分、バイト代はえげつないです。救急科の先輩ドクターに聞いたところ、「朝9時から夕方16時くらいまでバイト一回すると、福沢諭吉でサッカーチーム作れるよ」と言ってました。えっ?

 

では一方精神科はというと…?外来バイトはまぁ病院によります。忙しいところはめちゃ忙しいです。

じゃあ精神科の当直バイトは…覚えてますか?…はい、そうですね。「寝当直」です。

 

考えてみてほしいのですが、そもそも精神科だけしかない単科病院って、身体の状態がやばくていつ死ぬかわからない、なんて人は入院してないわけです。そういう人は、身体のことを診れる科が入ってる病院に移されているはずです。

"39度の高熱が出て、口から血を吐きウンチにも血が混じり息も絶え絶え。呼吸荒くて血圧も下がってきていよいよアカンかも…"

そんな患者の前に颯爽と精神科医が登場して、真剣な顔で「最近何か辛いこととかある…?🤔」なんて聞いたところで何の救いにもならないですね。その場にいる誰もが「今はお前じゃない」って思いますよね
*まぁこれは極端な話で、精神科医も研修医時代に内科外科含め一通りは勉強してるので最低限の処置は出来ますが…

そういうわけで、精神科病院は急変リスクが高い患者さんなんかほとんどいないし、長いこと状態が変わってない長期入院が多いので、他の科に比べて事件が起こる可能性がそもそも低いというわけです。なので結果として寝当直になることが多い。

ちなみに、もし患者さんが急変したりしたら、最低限の処置だけして迷いなく他の病院に転院搬送です。
「いやいや、お前も医者ならもうちょっと頑張れよ!!」って思われるかもしれませんが、患者さんにとってもその方がメリット大きいはず。そこで精神科医に「俺も一応一通りは勉強してるんで大丈夫っす!内科とかもう5,6年くらいタッチしてないけど、昔の知識で頑張るっす!!」とか粘られるより、僕が患者サイドだったら「さっさと送ってくれ…!」って思います。

 

当直バイトは続くよ

さて、こんな記事を書いている今も当直バイト中。今が夜19時前で、明日の朝9時までです。

バイト代は他の科に比べると安いですが、1回で大学病院の給料の半分くらい稼げちゃったりしますので何の文句も言えない。逆に大学病院どんだけ安いの。

基本的にやることがない・呼ばれないので、こんな風に記事書いたり、読書したり自分のやりたい勉強やったり、何故か置いてあるダンベルで筋トレしたりしてます。極めつけはDVDやプレステ2・3も置いてあって、しかもソフトの品揃え豊富なのが本当に良くない。近日中に手を出しそうです。

「ちゃんと仕事しろよ!」って言われそうですが、これが仕事なんです、本当に…

呼ばれたらもちろん働きますが、いかんせん呼ばれんのです…でも呼ばれないということは、患者さん達の容態がそれだけ安定しているってことだから、良いことなんですけどね。

 

では病院食をいただいて、勉強再開します。

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